Article by: Suwan Juntiwasarakij, Ph.D., MEGA Tech Senior Editor
間違いなく、自動化によってビジネスにおいてフロントエンドからバックエンドに至るまで革命が起きてきました。例えば、アマゾンの店舗ではウォークスルー決済が可能になり、Volvoの経理部ではサプライヤーへの請求書を毎日2,000件以上自動生成できる自動システムが採用されています。ロボットによる業務自動化(RPA)から人工知能(AI)に至る自動化術の開発は操作性、生産性、新たな収益やカスタマーエクスペリエンスを創出します。企業はこれらの利益を得るために膨大な投資をすることが予想されます。例を挙げると、事務所、管理、販売、専門職、管理職向けなどの個人用AI市場は2021年までに485億ドルに達すると予想されています。キャップジェミニ研究所によると自動化への投資額は過去最高になる見込みです。
ロボットによる業務自動化とは?
ロボットによる業務自動化(RPA)とは、知能ソフトウェア型ロボットを使用して、これまで人間にしかできなかった処理を実行することです。ERP、CRM、ウェブアプリなど、特定のロボットが動作して迅速かつ容易に業務に取込むことができます。KPMGの分析によると、定型業務の自動化、一部非定型業務の自動化、高度な自律化(認知)の3つのクラスに分けられています。定型業務の自動化は目新しいものではなく、サービス窓口、注文管理、クレーム処理、請求書の発行など手動で行っていた作業を自動化するソリューションです。

Source: Robotic Process Automation (PricewaterhouseCoopers)
一部非定型業務の自動化とは、非構造化データの読み取りや知識ベースの活用を含む一部非定型業務を自動化するソリューションです。成長段階のアプリケーションには、ITヘルプ窓口、顧客注文の成立、給付請求処理などがあります。高度な自律化又は認知化とは、機械認知学習、AI要素、言語処理、大容量データ分析などを含む高度なテクノロジーであるソリューションのことです。人間のように考えたり、学習したりするこの新技術はセルフサービス業務や複雑な業務における研究や改革をもたらすよう設計されています。

Source: Robotic Process Automation (PricewaterhouseCoopers)
RPA導入の効果
企業がロボットによる業務自動化を導入するにあたって重要な3つの段階があります。ロドイトの分析によると、自動化のためのビジョンや戦略として重要な段階は下記の通りです。はじめに、自動化のためのビジョンと戦略を明確にする必要があります。最初の段階としてリーダーは、IA組織の現状を把握し、どの部分にどのように自動化テクノロジーを導入するのかを判断しなければなりません。自動化のためのビジョンと戦略は一つのアプリケーションに留まらず全体的な改革にまで広がる可能性があります。これは契約、準備、採用といった条件面での懸念事項に対して迅速にまた継続的な利益実現によって対処することで達成することができます。

Source: Automation for the Intelligence Enterprise (Ernst & Young)
二番目に、企業は自動化開発をサポートするための基礎となるインフラストラクチャを構築しなければなりません。効果的な導入、継続的なメンテナンス、リスク軽減を促進するために必要なことです。運用及びガバナンスの枠組が孤立しないこと、組織内の社内標準及び主な慣例と整合することが重要です。最後の三番目として、自動化をサポートし維持するための目標状態操作モデルを開発することです。人、業務、技術の相互作用に関するいくつかの重要な相違があります。次の図のように、自動化にあたって3つの段階のどこに位置しているかを考慮する必要があります。

Source: Adopting Automation in Internal Audit (Deloitte)
重要事項
RPAを導入する前に、当面の構築を進めながら長期的戦略を立てることが大切です。短期間ですべての業務や手順の評価を行うことは不可能です。RPAのライフサイクルを通じた反復ルーフを介したロードマップを開始及び構築するための小さな領域を識別することで可能となります。これによりすべての機能につながる経路を構築しながら適切な場所へと素早く移動することができます。RPAはあらゆる面で魅力的に見えるかもしれませんが、実際に適しているのは特定の業務だけです。利益のしきい値を設定することで、RPAをロボット工学としてではなく、能力として考える又は改善が必要なプロジェクトを延期します。