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望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手

There is a Bot for That: The Invisible-Hand Robotics in Everyday Life
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Article by: Asst. Prof. Suwan Juntiwasarakij, Ph.D., MEGA Tech Senior Editor

ロボットは新しい専門用語ではなく、そして今日の大衆文化において重要な要素となってきた。しかし、ロボットの印象は主要なメディアでの説明に影響され、異なって伝わる可能性がある。「ターミネーター」のスカイネットや、「アイ、ロボット」の個人助手ロボットのような、ハリウッド映画から得た認識を持ち続ける人もいるかもしれない。

実際、ロボット工学はロボットのことを研究する工学の科目である。ロボット工学とは、ロボットの構想、製作、設計、及び運転に取り組む工学の分科である。この分野には機械工学、電気工学、コンピュータ工学、その他が含まれる。しかし、本号の中で説明される「ロボット」は、ロボティック・プロセス・オートメーション(ロボットによる業務自動化、以下RPAと呼ぶ)に見られるもの、という文脈で使われる。

反復的な、またしばしば規則に基づくプロセスを自動化するシステムであるRPAは、最近ますますビジネスに用いられるようになってきた。これらの取引のプロセスは、典型的には、共有の業務センターか、その他のバックオフィスの一部に位置する。人工知能ソフトウェアは、通常「ロボット」として知られるが、複数のITシステムを横断する取引のプロセス、データ操作、及び情報伝達を可能にするために、既存のITアプリケーションの保存や解釈といった特定の仕事に機能するように設計されている。加えて、ロボットの集団は、人間でない仮想の労働力としてサービスを提供することができる。

グローバルなRPA市場は2022年までに43億ドルに達すると予測されている。リサーチ・アンド・マーケット社によると、人工知能や認知学習などの技術における著しい成長により、企業による業務自動化技術の採用が増加してきた。このことは、人間の反復的な努力を排除するための仮想労働力の需要急増を引き起こし、世界規模で市場を動かしている。

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Sample robotic process applications for business development and services
Source: Looking into the Future: Leveraging the Power of AI and Robotics by PwC

ロボット工学市場に関する洞察

RPA市場は、業務により、規則ベースのものと知識ベースのものとに分類される。この2つのうち、規則ベースの方がより大きな収益シェアを有し、2017年に59%を超えたと評価されている。規則ベースの業務は、あらゆる規模の企業から顕著な関心を得てきた。これは、年次及び非常に繰り返しの多い様々な作業を効果的に自動化するソフトウェアロボットを、組織が構成できるようになるためである。また、実質的な人間の作業をほんの一瞬で終えることにより、組織が多くの時間を節約するのにも役に立つ。

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Total robotic market by robotic process automation and robotic desktop automation in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research

重要なプレーヤー

RPAの市場は、企業の規模に基づいて、大企業及び中小企業(SME)に分けられる。中小企業は、予測期間を通じてCAGR 37%でのより速い成長に直面し、2022年までに収益では大企業を凌ぐと考えられる。この高成長の原因は、SMEが、業務アプリケーションの自動化により業務効率を強化するために、世界中で業務自動化への著しい興味を示すことであると予測されている。一方でマーケティング基準に関しては、RPA市場の優れたプレーヤーは、実行、変革、顧客の声、といった3つのマーケティング成果で分類できる。 

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Top robotic service provers by marketing performances in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research
望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Top robotic service providers by individual assessment criteria in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research

HFSリサーチ社によると、RPAサービスの価値における供給者の能力は、経験の深さに基づいている。経験の深さの規模は、例えば[1] 経験なし、[2] 10件未満の仕事に従事、[3] 10~25件の仕事に従事、[4] 25件以上を手掛けた専門家、といった目盛りで表される。図表は以下の通りである。

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Top robotic service providers in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research
望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Service provider depth of capability by robotic software in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research

地域のマーケットシェアと成長

北米地域は、技術分野の高度な発展と先進国の存在のおかげで、RPA市場の中で最も大きなシェアを占める。ヨーロッパはRPA市場の優れたプレーヤーの一つである。英国、ドイツ及びイタリアなどの国は、豊かな製造業と自動車産業を抱えているので、市場成長の主な貢献者である。

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Robotic services and software market in 2016-2022
Source: RPA Forecast by HFS Research

アジア太平洋地域は、予測期間にわたり、最速で成長する市場として浮上すると予想されている。アジア諸国の発展と消費者向け電気製品の需要のため、製造業者は製造工程において費用効率の高い技術を採用せざるを得なくなっている。地域レベルの市場で期待される成長は、新技術の進歩、進むデジタル化、自動化ソフトウェア産業の発展、そして該当地域の中小企業による業務プロセス自動化ソリューションの採用増加、等の要素に起因すると考えられる。

望みを叶えるロボットがある:日々の生活におけるロボット工学の見えざる手
Total robotic my region in 2018
Source: RPA Forecast by HFS Research