アジアの電気自動車市場は成長が見込まれている。 エコシステムの観点から課題と機会にアプローチする者はビジネスの兆候をつくり出す。 アジア諸国において消費者は様々なペースで EV を採用している。 中国や日本などの成熟市場と比較して新興アジア、特にインドや ASEAN は遅れをとっている。 2021 年はこの地域の新車販売に占める EV の割合は 1% 未満であった。
新興アジアで EV エコシステムを構築する事はASEAN 諸国が消費者の取り込みを加速するために不可欠だ。 明日の EV エコシステムを構築するという事は需要と供給を刺激する事によって EV バリュー チェーンを抜本的に構築する事を意味する。 これには、パートナーシップ、インフラストラクチャ、およびに技術開発へのより大きな投資、低コストの EV モデルの配布の加速 (内燃エンジンと同等またはそれ以上の総所有コスト)、包括的資金調達、EV の採用を奨励し内燃機関エンジンよりも優遇された政府のインセンティブで支援するグリーン投資の枠組みが必要だ。

マッキンゼーの採用モデルにれば成熟したアジア市場では電動四輪車 (E4W) の採用は継続的に勢いを増すであろう。そして中国は絶対的に最大のEV市場となるであろう。 現在の傾向では中国での採用率は 60% に達し中国は 2030 年までに販売された新車 EV 全体の 40% 以上を占めるようになるであろう。新興アジアにおいてE4W の生産は急速に回復するであろう。 タイとインドネシアは既に地域の主要な自動車生産拠点となっている。 E4W の生産量は低レベルから 45% まで急拡大しよう。 2030 年までにはアジアの新興国合計で年間 200 万台以上の E4W ユニットが生産される可能性があると言う。
今日のアジアの新興市場は最大のマイクロモビリティ市場だ。例えばインドは 2017 年に中国を抜いて最大の電動二輪車 (E2W) 市場となった。電気自動車のコスト競争力が高まり規制当局が消費者へのそれらの採用を奨励しているためE2W はこの地域の主要な輸送手段になるであろう。


Source: HIS Market Light Vehicle Powertrain and Alternative Propulsion Forecast Model, McKinsey

Source: McKinsey EVOLVE tool, etc.

Source: Government websites, McKinsey
タイの自動車産業は過去 55 年間で目覚ましい成長を達成した。 2021 年には 759,000 台以上の自動車が販売され国家の GDP への貢献度も 10% に達している。この成功はこの国家を東南アジア諸国連合 (ASEAN) で最大の自動車メーカーに、そして世界で 10 番目に大きな自動車生産国にならしめた。タイはアジアの自動車ハブとして付加価値の高い製造と環境保護政策を備えた次世代の自動車メーカーとしての地位を継続的に確立している。
需要側では2022 年 2 月に政府が最新のインセンティブ パッケージを発表。これにはCBU BEV の港湾関税の引下げ、輸入 EV の物品税の減税、そして乗用車の EV 補助金などが含まれる。 2022 年末までに 9,040 万米ドルの補助金が認可され2025 年末までには12 億米ドルのそれが予定されている。 国家 EV 政策委員会が全国の e モビリティと EV インフラストラクチャをサポートするための40ヵ所の充電ステーションの開発目標の発表とその開発における税制上の優遇措置からも EV の採用が明らかであることを示している。

Source: McKinsey center for Future Mobility, Passenger Car Total Cost of Ownership Model
電動化は全ての主要自動車市場が直面する避けて通る事の出来ない現実だ。 しかし顧客の行動、規制強化の深刻さ、市場の既存企業、サプライ チェーンの状況には各市場固有のものが存在する。 このようなファクターは現実であり利害関係者が EV ハブになるという夢を実現するために克服しなければならない根本的な課題と問題をもたらす。 タイはタイ特定の課題に焦点を当てて的を絞った解決策を講じてその課題に取り組む事ができればEV へのコミットメントを達成するのに有利な立場にあると考えられている。 タイが EV の夢を実現し、特に東南アジア地域や新興国で EV の世界的な大国として台頭するにはこれらのクライテリアをクリアしなければならない。
Article by: Asst. Prof. Suwan Juntiwasarakij, Ph.D., Senior Editor