今日の世界は日に日に「再生可能エネルギー」に注目しており化石燃料から変換された従来のエネルギーの代わりに再生可能エネルギーを使用する試みが数多行なわれている。化石燃料からエネルギーを得るための変換プロセスは地球温暖化問題の原因となっている可能性がある。タイの場合広く使われている再生可能エネルギーは「太陽エネルギー」だ。一般的には我々は太陽エネルギーを使って発電する事を考るが太陽エネルギーは冷凍システムの駆動にも使用可能なので有る。これは太陽エネルギーを利用して発電し、そしてその変換された電力を使用して冷凍システムを駆動するような話ではない。これは太陽エネルギーによって直接電力を供給できる冷凍システムについての話である。この記事で言及されている冷凍システムは「吸収冷凍システム」だ。
太陽エネルギーで駆動する吸収冷凍システム
図1は太陽光発電の吸収式冷凍システムの概略図である。冷媒として水を使用する(1-2-3-4)。冷媒は冷却塔で発生した冷却水に熱(Qc)を放出し、凝縮器(1-2)で凝縮して飽和液となる。液体冷媒は膨張弁(2-3)を通って流れ液体冷媒の段階で蒸発器に入る前に混合物に変わる。冷凍は蒸発器で行われる。冷媒の段階で徐々に飽和蒸気に変わり蒸発器から出て行く。冷媒は吸収剤(アンモニアまたは臭化リチウム)と連動し、溶液として混合される。

強力な溶液が発電機から流れ出て膨張槽(8-9-10)を通過。これにより強い溶液の濃度を一定に保ちながら圧力と温度を下げる事が可能。次に強い溶液が吸収器に入りそこで蒸発器からの蒸気冷媒が強力な溶液によって吸収される。これにより協力な溶液の濃度が下がり弱体化した溶液になる。吸収過程では化学反応である程度の熱が発生。吸収体の温度を維持するために化学反応によって生成された過剰な熱は冷却塔から冷却水に放出される。そして弱体化された溶液が熱交換器(5-6-7)にポンプで送られる。これによりジェネレーター(8-9)からの強力な溶液の温度が低下する一方弱体かされた溶液の温度は上昇。発電機と吸収器の間に熱交換器を設置すると発電機で使用されるエネルギーが減少するためシステムの性能係数(COP)が向上して熱交換器のないシステムよりも低くなる。このシステムの太陽エネルギーの利用は発電機で行われる。発電機は主に二つの部分で構成される放物面トラフコレクターで動作する。一つ目は放物面トラフ反射鏡(コンセントレーター)だ。二つ目は放物面トラフ反射鏡から熱エネルギーを吸収するために使用される真空管レシーバー。放物面トラフコレクターの動作原理を図2に示す。レシーバーチューブ内に含まれる伝熱流体は最高動作温度が400°CのテルミノールVP-1。テルミノールVP-1は太陽光から熱エネルギーを吸収してテルミノールVP-1の温度が上昇。その後貯蔵タンクで蒸気を生成するために使用され、その蒸気は吸収式冷凍システムの発電機の熱エネルギーとして使用。今日タイの幾つかの商業ビルは既に太陽エネルギーによって駆動される吸収冷凍システムを使用している。但しシステムで使用される太陽エネルギーレシーバーは放物面トラフコレクターよりも効率が低い平板ソーラーコレクターだ。

Article by: Pornphimol Winyuchakrit (Ph.D.)