自動車の大型金型の需要はダッシュボードなどの内装部品からフロントバンパー、リアスカートなどの外装部品までの製造で急速に伸びている。しかし大型金型の製作は容易ではなく多くの障壁がある。最大の課題は大型金型の加工が難しく特に厳しい精度と外観の要件を満たすことがかなり難しい。
MEGA Tech は多くの大手金型メーカーが直面している問題に対処するために三菱日立ツールの MOLDINO の最新の切削工具ソリューションを紹介する。
大型金型の製造は困難
機械加工ではサイズが重要だ。大型金型のサイズと重量の部品を機械加工する事は大きな課題となる可能性がある。希望する精度と品質を保証するには荒加工から仕上げまで適切な機械とツールが必要だ。深いキャビティ、張り出した斜面、その他のワイルドな形状など、荒加工の課題もある。
大型金型の中には何日もかけて機械加工されるものもあり切削工具の選択は機械加工プロセスの成否を左右するために更に困難だ。三菱日立のMOLDINOのTR4F型ラジアスミルが大型金型メーカーのタスクの成功にどのように役立つかを細かく見てみよう。
大型金型の切断用に特別に製造
MOLDINO の新しい開発ポートフォリオであるインデキサブル フライス カッター TR4F (略称: ターボ ラフィング 4 コーナー ファースト フィード) は不等ピッチの高送りカッターだ。インサートのユニークな形状は 10% も厚くフライス加工中の接触面が 35% 増加しパフォーマンスが向上。ツール ホルダーのワイド形状のポケットにより切りくずの除去が向上する。つまりソフト ラフィング中に 2 mm 以上の歯送り fz が可能なるのだ。例えば送り速度 3.5 mm/t、切り込み深さ 2.0×40 mm で作業した場合TR4F405000 タイプ (直径 63 mm) を使用して 740 cm3/分の金属除去率を達成。

更にTR4F タイプはフェース フライス加工、スロッティング、ランピング、垂直、ダイ シンキングなど様々な用途や鋼種の要件を満たすように設計されている。
全ての大きな問題を克服
TR4F は金型メーカーが直面する主要な問題と課題に対処するために特別に設計されている。このラジアスミル TR4F タイプは刃あたり 2 mm × 2 mm の切削深さと送り速度を提供し荒加工時間を大幅に短縮するのに役立つ。更にこのツールは断続切削や高チップ抵抗条件でも機能する。
独自のインサートとボディ形状による独自の高効率切削。TR4F タイプは高効率切削によってもたらされる特定の課題に対応している。但し成形のために高送り切削が実行されてもその結果生じる深刻なチップ詰まりと噛み込みにより成形効率が低下する可能性があるという懸念がある。この問題を解決するためにTR4F はチップ除去を強化する新しいボディ形状を採用。独自の狭窄形状により長いオーバーハングを切断する場合でもツールと壁面の間のチップ詰まりを抑制してねじれのない滑らかなチップを生成。大きなオープンポケットの設計により優れたチップ除去性能が得られる。
切削工具は消耗品であり部品あたりのコストと作業の収益に大きな影響を与える可能性があり工具寿命は考慮すべきもう 1 つの重要な要素だ。ご存知のように目標は高送り切削で加工時間を短縮する事だ。しかし送り速度が速くなると工具寿命が短くなり機械の潜在能力をフルに発揮できなくなる。工具寿命を延ばすためにMOLDINO は断面積と拘束面積をそれぞれ 100% から 110% と 100% から 135% に増やした独自のインサート形状を開発した。断面積が大きいため高負荷切削でもインサートの強度と拘束力が確保され独自の不等ピッチ設計により切削中のチャタリングも軽減される。

TR4F は壁面加工にも優れている。作業面から離れたチップ排出経路により上向きまたは下向きの切削にかかわらず壁面加工中によく発生するチップの破損や曲がりによる削れが防止される。

大型金型加工に伴うもう 1 つの課題はファセットの製造だ。顧客の仕様によってはほぼ鏡のような表面と極めて高い精度が求められている。硬質鋼で高光沢の表面を作るには常に適切な工具を使用した高速および送り速度が必要だ。この場合横方向の送り速度が表面品質にとって重要だ。
結論
最も重要な考慮事項は工具のコストではなく工具がどれだけ利益を生むかだと言う話を聞いた事がある。切削工具のコストは他の工具と比較して重要ではないかもしれないが切削工具がコストと収益に大きな影響を与えないとは言えない。従って適切な工具、特にこの特別なタスク用に特別に設計された工具を選択して大規模な金型製造を開始すれば成功への道が開かれる。
Article by: MEGATech & JSR Group << Click here